今回は非鉄大手5社の一角であるJX金属について解説していきます!
非鉄金属業界全体について解説している記事がありますので、そちらを先に読んでいただける幸いです!
→ 非鉄金属業界研究

1.基本情報

社名JX金属株式会社
(英文名称 JX Nippon Mining & Metals Corporation)
資本金750億円
ENEOSホールディングス株式会社100%出資
事業内容非鉄金属資源の開発・採掘
非鉄金属製品(銅、金、銀等)の製造・販売
電解・圧延銅箔の製造・販売
薄膜材料(ターゲット材、表面処理剤、化合物半導体材料等)の製造・販売
精密圧延品の製造・販売
精密加工品の製造・販売
非鉄金属リサイクルおよび産業廃棄物処理
本店所在地〒105-8417
東京都港区虎ノ門二丁目10番4号 オークラ プレステージタワー
P/L(百万円)2020年度2021年度
売上1,090,0001,290,000 
営業利益78,100158,200  
営業利益率7.2%12.3%  

JX金属の基本情報になります。ENEOS ホールディングスの100%子会社のため、財務情報が少なめです。
ただ売上・利益ともに右肩上がりで、営業利益は約2倍に伸びています。
またJX金属も売上1兆を超えており、業界を代表する企業と言えるでしょう。

2.事業内容

JX金属は①資源事業、②金属・リサイクル事業、③機能材料・薄膜材材料事業 他の3つから成っています。

①資源事業
JX金属が権益を保有する銅鉱山の安定的な操業と更なる生産性向上を図るとともに、今後先端素材分野での需要拡大が見込まれるレアメタル鉱山の調査・開発を推進している。

②金属・リサイクル事業
金属の精錬とリサイクルを一体的に運営しており、電子機器等のスクラップから高品位の地金を生産したり、銅精錬の副産物を利用してレアメタルや硫酸の生産を行っている。

③機能材料・薄膜材材料事業 他
機能材料事業、薄膜材料事業、タンタル・ニオブ事業の3つから成っている。電子デバイス、半導体向けなど多岐にわたる先端材料製品群で現代社会を支えている。

このような3つの事業を展開しており、リサイクル・精錬の一体的運営世界トップシェアを多数誇る先端材料はとても特徴的です!

3.各事業の解説・特徴

JX金属の3つの事業の特徴や強みについてそれぞれ解説していきたいと思います。

①財務分析

セグメント別利益(営業利益)(億円)
事業内容2020年度2021年度
資源349721 
金属・リサイクル273410 
機能・薄膜材料事業・他311545 

注目ポイント

・3事業ともに大幅に増益
各事業の売上及び利益増加理由
資源 銅価格の高騰により、大幅な増益
金属・リサイクル 貴金属価格の高騰や硫酸市況の好転により増益
機能・薄膜材料事業  半導体や高機能IT分野での需要が堅調に伸びたことにより、増益。

資源事業の特徴・強み

・銅権益生産量20万トン(国内2位)
・チリのカセロネス銅鉱山権益を100%所有、その他チリの2つの鉱山権益を有する
・今後はカセロネス銅鉱山の効率的な操業に注力していく

保有鉱山権益
カセロネス銅鉱山(100%権益保有)
・ロス・ペランブレス銅鉱山(チリ)
・エスコンディーダ銅鉱山(チリ)

③ 金属・リサイクル事業の特徴・強み

グリーンハイブリッド精錬
銅精鉱とリサイクル原料を合わせて精錬し、高純度の銅地金を産出する独自の精錬技術
鉱石の酸化反応の熱を最大限活用することにより、燃料使用料を削減している

・精錬の副産物であるレアメタルや硫酸の生産も行う。
佐賀関製錬所の年間粗鋼生産量は約45万トンと日本最大級

④ 機能材料・薄膜材材料事業 他

機能材料事業、薄膜材料事業、タンタル・ニオブ事業の3つから成る

機能材料事業 → 金属加工技術を活かした製品群
銅箔 銅を薄く伸ばしたもの、回路基板用の圧延銅箔で世界トップシェア
合金 複数の金属を掛け合わせ、強度や特性を変化させる りん青銅、コンソル合金、チタン銅など
伸銅品 銅に他の金属を加えた銅合金を熱間または冷間の塑性加工によって板、管、棒などの形状に加工したもの コネクタ、電子部品用バネ、など

薄膜材料事業
→ ディスプレイ、太陽光電池やリチウムイオン二次電池、DVDやハードディスクなどの記録媒体には特徴的な機能を持った薄膜が使われており、現代社会を支えている

代表製品:スパッタリングターゲット
・半導体や電子部品に欠かせない薄膜の形成に使われるもの
半導体用スパッタリングターゲットは世界シェア60%を誇る
・半導体、パネルディスプレイ、太陽光電池、磁気性ハードディスクなど多種多様なターゲットを生産

タンタル・ニオブ事業
・コンデンサーや半導体、医療用途、圧延製品など幅広い業界で使われる金属材料
レアメタルに属する金属
・ブラジルのMibra鉱山にてタンタル原料生産事業に参画を決定し、上流から下流の一貫したサプライチェーンの構築を目指す

4.福利厚生

福利厚生についてまとめていきます。
基本データになりますが、健康優良法人ホワイト500に認定されているだけあり、かなり充実している印象です!

年間休日日数122日
有給休暇初年度18日/最大22日
寮・社宅本社:男子寮、女子寮、選択借上げ社宅 事業所:独身寮、社宅を完備
育児出産休暇、育児休暇、一時金、復職率100% など
介護介護休業、介護休業手当て など
その他在宅勤務制度、復職制度など

注目ポイント

出産、育休制度
①厚生労働大臣から子育てサポート企業として認定される「くるみん」を2020年度に取得している
②出産休暇については女性はもちろん、配偶者が出産する男性社員にも3日以内の休暇を付与している
③それ以外にも育児コンシェルジュベビーシッター利用サポート制度や復職支援金など法定基準を大きく上回るサポートがあり、産休育休後の復職率は100%である

・有給、住宅関連
①従業員1000人以上の企業の平均有給取得日数11.7日に対し、17.8日と高い取得日数
②本社勤務では男子寮・女子寮が完備されており、1〜1.5万円程度の負担で利用できる
③また家賃の6〜7割を負担してもらえる選択借上げ社宅制度有り
④事業所勤務でも、独身寮・社宅を完備しており、家賃1〜2万円、食費も朝200円、夜500円程度とかなり割安で利用できる

5.長期ビジョン・求める人物像

JX金属の長期ビジョン・求める人物像を紹介します。
またこれらを基に学生がアピールすべき点を解説していきます。

長期ビジョン:「先端素材で社会の発展と革新に貢献するグローバル企業を目指して」

求める人物像 「Ownership

思い入れ
革新の気概
誠実、真摯

もちまる体験談・ワンポイントアドバイス

JX金属は資源、金属・リサイクル事業をベース事業、先端材料事業をフォーカス事業として位置付けており、先端素材を中心に社会の発展と革新に貢献しようとしてます。そのため、学生がアピールすべきは新たなことに挑戦した経験組織で変化をもたらしたなど、自らが発端となり、変化しようとしたエピソードなどがあると良いでしょう。求める人材像にも、「革新の気概」が挙げられており、長期ビジョンとマッチするような人材を欲しています。22卒向けのインターンシップでは新たな発想を取り入れ、製品化するというグループワークもあったため、上記のような価値観を大切にしているのは間違い無いでしょう。また採用HPの求める人物像では、上記3つの資質が詳しく説明されており、キーワードが散りばめられているため、自己PR・ガクチカなどで参考になる部分もあるかと思います。

6.選考フロー

最後は選考フローについてです。

事務系 : ES・Webテスト→1次面接→2次面接→3次面接→最終面接
技術系 : ES・Webテスト→1次面接→2次面接→最終面接

もちまる体験談・ワンポイントアドバイス

事務系は面接が4回と業界的には多めなので、発言の整合性と逆質問を準備しておくと良いでしょう。
また最終に向かうにつれ、厳かな雰囲気になるため(最終は役員クラス含め5名)、面接の経験と整合性がより必要になるでしょう。

非鉄金属業界を代表するJX金属について紹介しました!
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