今回はアルミ大手企業のUACJについて解説していきます!
非鉄金属業界全体について解説している記事がありますので、そちらを先に読んでいただける幸いです!
→ 非鉄金属業界研究

1.基本情報

名称株式会社UACJ (英文名:UACJ Corporation)
本店所在地東京都千代田区大手町一丁目7番2号
代表取締役 社長執行役員石原 美幸
事業内容アルミニウム等の非鉄金属及びその合金の圧延製品・鋳物製品・鍛造製品並びに加工品の製造・販売等
資本金522億77百万円
従業員連結9,571名(2022年3月31日現在)
決算期3月31日
P/L(百万円)2020年度2021年度
売上569,756782,911
売上総利益65,574129,788
営業利益11,14459,520
経常利益5,95852,286
当期純利益-1,14436,594
ROE14.10%
ROA3.90%
純利益率-0.20%4.67%
経常利益率1.05%6.68%
自己資本比率25.00%27.50%
時価総額128,667112,696

UACJは2013年に国内トップアルミニウムメーカー2社(古河スカイ住友軽金属鉱業)が統合されてできた会社です。
2020年度は大型投資戦略や構造改革を実施したことにより、赤字計上したが、2021年度は売上・利益ともに大幅に伸びています。

2.事業内容・特徴

UACJの事業内容やその特徴について解説していきます。

アルミ圧延事業の概要
・そもそも圧延とは、金属加工一つで回転するローラーの間に金属素材を流し込み、その圧力で金属を伸ばす加工方法のこと。
・アルミ圧延事業では板製品自動車部品押出製品箔製品鋳物・鍛造製品の5つから成る
・世界最高水準の板厚制御技術を持っており、圧延ラインは全長400メートル、幅4.3メートルにものぼり、世界トップクラスの生産能力を持っている
・アルミニウム圧延製品の年間生産量は100万トンを超えており、国内トップシェア世界シェア3位を誇る
・世界の缶市場の4割を占めるアメリカや急激な経済成長によりアルミニウムの需要が急増しているタイや中国など、現地ニーズに応えるグローバルな生産体制を実現している
加工から塗装まで一貫して行う生産ラインは世界でも類を見ない


・アルミニウムを圧延加工で板状に加工したものを販売している
・缶材や自動車・航空機のボディ、半導体製造装置など幅広い用途で使われている

自動車部品
・自動車のバンパーやサンルーフガイド、バッテリー内部を覆うハウジングなどを生産している

押出
・押出加工は耐圧性の型枠に金属素材を入れ、押棒で押し出すことにより、様々な棒材を形成することができる
・自動車の配管材、二輪車のフレームなどに使われている


・アルミニウムを厚さ0.2mm~0.006mmまで圧延で薄く伸ばしたものを箔と言う。
・食料品や医療品の包装材やアルミホイル、電池の電極材などに使われており、特に燃料電池や蓄電池などの需要の高まりを背景に電池分野に注力している

鋳物・鍛造製品
・鋳物とは高温で溶かした金属を砂などで作った型に流し込み、冷却して固めたもので鋳物を作ることを鋳造と言う
・鍛造とは金属を叩いて圧力を加えることで、目的の形に加工していく方法で、現在ではハンマーやプレス機で圧力を加えて加工している
・鋳物では自動車のエンジンにより多くの空気を送り込むターボチャージャ用コンプレッサホイールが世界トップシェアを誇っている
・鍛造では重さなんと15,000トンの国内最大級のプレス機を持っている

②財務分析

セグメント別売上高(億円)
2020年度2021年度
アルミ圧延品事業477,780697,501
加工品・関連事業165,122164,757
セグメント別利益(億円)
2020年度2021年度
アルミ圧延品事業17,15064,107
加工品・関連事業-5691,073

注目ポイント

アルミの圧延事業が大きな割合を占めており、前年度に比べ、大きく利益も伸びている
・加工品・関連事業は利益率も低く、2020年度は赤字になっている
・新型コロナウイルスの感染拡大が減少したことにより、自動車や半導体関連での需要が伸び、販売量も増加、また北米における缶需要の増加やアルミ地金価格の高騰も大きく影響した

3.福利厚生

福利厚生についてまとめていきます。

年間休日日数121日
有給休暇20日~25日
寮・社宅各地に社宅・独身寮を完備
育児出産休暇、育児休暇など
介護介護休業など
その他育児休業復職率100、メンター制度 など

注目ポイント

・2021年度の育休取得者の復帰率100%であり、復職後3年間の就業継続率は96%になっており、育児制度については非常に充実している
・男性の育児休暇取得100%を目標にしており、男性でも取得しやすい環境
・寮・社宅制度も完備
・新入社員は入社後3ヶ月は名古屋の人材開発センターにて研修があり、入社後3年間は先輩社員がマンツーマンでフォローアップしてくれる
・ダイバーシティ推進に注力しており、女性比率は2015年から2021年度比で2倍以上に増えている

4.長期ビジョン・求める人物像

UACJの長期ビジョン・求める人物像を紹介します。
またこれらを基に学生がアピールすべき点を解説していきます。

長期ビジョン
「アルミニウムを極めて、サステナブルな社会の実現に貢献する」
「日本発のグローバルアルミニウムメジャーグループ」

求める人物像

1.自分軸があり、自ら行動を起こそうとする気概を持った人材
2.物事を論理的に考え、本質を見極められる人材
3.他人の話を聞いて理解し、自分の意思を伝え、表現できる人材

もちまる体験談・ワンポイントアドバイス

UACJは2030年長期経営ビジョンにて北米や東南アジアなどの成長市場への注力やヘルスケア、環境・エネルギー分野への新規事業拡大などを掲げ、グローバルアルミニウムメジャーグループと名乗っています。実際、海外売上高比率は6と高い割合です。そのため、学生はグローバル性や挑戦したことをエピソードで表現できると良いでしょう。留学などの異文化交流の中で、周囲を巻き込んで挑戦したことや自らの判断基準を持ち、論理性を持って変革への行動を起こしたエピソードなどが求める人物像と長期ビジョンにマッチしていると思います。またUACJの社風としてきさくでおおらかな人が多いと採用HPには書かれており、風通しの良い社風と言えるでしょう。採用HPはQ&A形式で学生が気になることにたくさん回答しているので、目を通しておくと良いでしょう。

5.選考フロー

最後は選考フローについてです。

事務系 : ES・Webテスト→1次面接→2次面接→最終面接
技術系 : ES・Webテスト→1次面接→最終面接

もちまる体験談・ワンポイントアドバイス

面接時間が1時間と少し長めなので、自己PR・ガクチカの深堀に耐えることはもちろん、想定外の質問にも取り繕うことなく率直に答えると良いでしょう。

アルミニウム大手のUACJについて紹介しました!
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